KENのけんけん

忘却と戦うためのブログ。若年性アルツハイマー気味の自分が、10年後の2026年に「国家戦略の本」を執筆する際の備忘録として

(経済)ドイツのハイパーインフレは「国債の連続的な発行による急激な通貨安」「主軸事業のストライキ」「税金のガバナンス不足」

・ドイツのハイパーインフレのトリガーとなったのは「WW1敗戦で背負った多額の債務」を国債で補填するべく行った大量・連続的な貨幣発行と、極度の通貨安。

 -ドイツの第一世界大戦後のハイパーインフレは「WW1敗戦による多額の債務」を、政府が多額の国債中央銀行に大量の紙幣を発行で賄おうとしたことに起因する。

 -急激なマルク安によって、輸出産業は工場を増設し、輸出を加速し、富を積んでいった。一義的には失業率は減ったが、通貨安を狙った外国人がドイツ国内の商品を買いあさり、ドイツ国民が買う商品はなくなり、インフレは加速。

 -中央銀行は「貨幣発行=インフレの原因」という知恵がなく、マルクを級数的な勢いで発行し続け、インフレをさらに加速させた。

・さらに状況を悪化させたのは「金融・政治・社会的不安」に伴う、連日のストライキと、主軸の産業である石炭/鉄鋼拠点の停止。

 -労働組合はインフレに準じた賃上げを毎週・毎日のように行うようになり、大規模な公務員のストライキは、すべての公共インフラを停止されるまでになった。

 -さらに、フランスの思惑(ドイツがもう一度戦争を起こせないように再起不能にすること)により、ドイツの最大の石炭・鉄鋼拠点である「ルール地方」はフランス統治に反対するべき、永久的ストライキを実施。自動車を中心に製造・エネルギーの輸出に甚大なマイナスを与えた。

・一方で税制は不十分で、流通量に準じた増税が出来なかった。地方貨幣や、ライ麦債が乱発され、どれも通貨として社会的信頼が存在せず、代替案は存在しなかったが、「1兆マルク=1ライヒスマルク」が安定的運用を迎えた。

 

▼経営に例えると▼

・事業による売上拡大と借金返済ではなく、借入先の変更による「金融政策」だけで借金を返済しようとし、かつ、各事業部の売上を各事業部が懐にいれるようなもの。